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歯科医の歴史

歯科医は紀元前5世紀頃の古代エジプトにおいて既に職業として存在していた記録が残っています。

又、同じ頃古代ギリシャの医学者ヒポクラテスの著書「ヒポクラテス全集」にも、隣接する歯を利用して義歯を固定するという現在のブリッジに似た歯の治療法が記述されています。

この様に古い文明を持つ中東やヨーロッパでは早くから虫歯などで欠損した歯の治療が行われていた様でが、それでは日本の医学のルーツである中国ではどうだったのでしょうか?

中国では宗(960年~1279年)の時代に歯科医を職業とする者がいたという文献はありますが、ただそれを裏付ける義歯などの遺跡は見付かっていません。

日本では縄文時代には歯を削ったり抜いたりする事は行われていた様ですが、これは歯の治療の為でなく宗教的な意味があったのだろうと言われています。

その後奈良、平安、鎌倉、室町から戦国時代を経て安土桃山時代に至るまでの時代は歯の治療は当時の医療の一環として行われましたが、まだ歯科医という専門職は存在せず金創医と呼ばれる普通の外科医が歯の治療もしていました。

安土桃山時代になると医療の専門分野として「口中科」が確立され、同時に仏師(仏像彫刻家)による義歯作りが盛んになりました。

ちなみにこの時代に広がった歯を黒く塗る「おはぐろ」という習慣には虫歯予防の意味もあったと言われています。

その後江戸時代になると口中科の流れを汲む歯科医の他に、下級武士や庶民レベルでは正式な医学知識を学んでいない人間による歯の治療も行われていました。

又、木製の入れ歯作りも江戸時代に盛んになりました。

この状態は明治維新まで続きましたが、明治になると西洋の近代歯科技術を持った歯科医が次々に来日し、日本で開業したり日本人の弟子に技術を教えたりする様になり、日本の歯科医療は急速に進歩しました。

ただ政府が歯科医の重要性を認識していなかった為、江戸時代に出現した「入歯師」や「歯抜師」の様な正式な歯科医ではないものによる民間治療も並行して行われていました。

明治政府によって歯科医の制度が確立されたのは明治も後半になってからです。

長く続いた「おはぐろ」の習慣も明治になって野蛮なものとして禁止されました。

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